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つい先日まで暑かったのに、気付けばもう冬の足音が聞こえてきそうだ。
そろそろ炬燵を出そうかしらというお袋の発言に、真っ先に同意したのは意外にもコンラッドだった。
「コンラッドって寒いの苦手?」
今年の猛暑を思い返すが、暑さには強いようだった。どちらかといえば終始くっつかれているおれの方が、先に音を上げそうだったほどで。
「じつはすごく苦手なんです」
答えるコンラッドは何が楽しいのかとても笑顔のまま、両手を伸ばしておれにぎゅうっと抱きついた。
「苦しいよ」
「でも温かいです」
確かに。すっぽり包まれたおれは温かいけれど、コンラッドはどうだろう?
「背中、冷たいな」
「ユーリがいれば温かいですよ」
「おれは湯たんぽかよ」
犬は外を駆け回って、猫はこたつで丸くなるんだったか。
寒くないようにと背中を擦ってやりながら、懐かしい童謡を思い出した。
「…」
(2010/11/09〜2011/01/05)