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この方が二人で読むのにちょうど良いからと半ば強引に膝の間に座らせた少年の口数が少しずつ減ってきたと思ったら、こつん、と肩に重みが加わった。
先ほどまで聞こえていた元気な声の代わりに、いま耳をくすぐるのは小さな寝息だ。
少し難しい内容だからと一緒に読んでいた本は、どうやら寝物語に適していたようで。頬に触れる柔らかな髪の感触も、繰り返される健やかな寝息も、腕の中の重みも離しがたい。
ちらりとベッドを見たものの、すぐに目の前の旋毛に視線を戻した。
そうっと肩を引き寄せて、寝やすいようにと寄りかからせる。肩に心地よい重みが増したのを感じて、コンラッドは小さく笑った。


(2015.05.31)