小ネタ1
「ぁ、あ、あっ……」
後ろから貫かれ、ユーリは目許に溜まっていた涙を溢れさせた。
腸がせりあがるような圧迫感はとても苦しいのに、内に感じる熱に酔わされる。
「ユーリ、苦しい?」
体内も、思考も、彼におかされていく感覚。
さらした背中に、尋ねてくる男の汗が落ちた。その微かな刺激にさえ肌が慄く。
「っ……んっ」
くるしい。でも、それ以上にきもちいい。
声にならなくて、ただ首を横に振れば、右足に手がかけられた。
「じゃあ、きもちいい?」
「んっ…ぁ……」
続けざまの問いに今度はシーツに押し付けたままの顔を縦に振った。
きもちよくて、それがくるしくて、はやく埒をあけてほしい。
けれど望んだ抽挿は始まらず、ただユーリを貫いたままの男は「見せて」と耳元で囁いてくる。
「あぁっ」
強引に膝裏を持ち上げられて、埋め込まれた熱が内を擦る。刺激に耐え切れずに、喉から掠れた悲鳴が漏れる。
「いきたい?」
今にも弾けそうなほどの昂ぶりが開放を求めて蜜を滴らせているのが、熱っぽい視線にさらされた。
「コン、らっ……」
助けを求めて、ユーリは逞しい肩へと手をかけた。
追い詰めるのも、埒をあけてくれるのも、この男だけなのだ。
(2013.01.01)