小ネタ6
服を脱ぐ瞬間というのが、一番恥ずかしい。特に、自分で脱ぐのではなく、脱がされる時が。
抱き合って、キスをして、お互いにそういう気分で盛り上がってはいるけれど、まだ意識は鮮明だ。
これからすることに対してだったり、見られていることに対してだったり、いろいろ恥ずかしくて身の置き場がないのに、おれのことなんかお構いなしにするすると服を脱がされて、気づいたら下着一枚だけ。
まだキスしかしてないのに、期待に膨らんだ熱が恥ずかしくて隠すように身をよじった。
聞こえてくる笑い声は、きっと全部お見通しだからだ。
「かわいいね」
笑み混じりの言葉に、かっとなる。
恥ずかしい。
「見るな」
「どうして?」
恥ずかしいからに決まってる。
「こんなにかわいいのに」
最後に残されていた下着をずらされた。外気に触れたお尻に、視線を感じて全身が熱を持った。
「それに、美味しそう」
火照った肌に大きな手が触れた。丸みを撫でてから、唇が触れる。
まるで味見でもするみたいに、軽く唇で食まれて肌が粟立った。
「……ぁ」
恥ずかしい。
けれど同時に、心も身体も期待するのだ。
早く食べられてしまいたい。何もかも分からなくなるぐらい、ぜんぶ浚われてしまいたい。
そんな風に考えてしまうことさえ恥ずかしくて、冷たいシーツへと火照った頬を押し付けた。
(2013.08.04)