小ネタ47


「も一回、いい?」
 言われた言葉の意味もわからないまま、呼ばれた名前に反応してぼんやりと恋人を見上げたら、口付けが降ってきた。
「んっ」
 開いた両脚を抱えたままの不自由な体勢でするキスは、くるしいのに気持ちいい。
「こん、らっど……ぁ、なに?」
 腰を引かれて、そのまま抜け出ていくのだと思った熱に再び押し入られて目を瞠った。一緒に達したはずなのに、コンラッドのそれはいまだ硬く存在を主張したままだ。
「やっ、まって、……っ、う」
 たっぷりと濡らされた中が、ゆるゆると腰を揺らされるたびにいやらしい水音をたてる。
 さっき、したばかりなのにと思うのに、止めようと開いた唇から出てくるのは嬌声で。
「ユー、リ」
 唇の端から零れた唾液を舐め取られるのにさえ感じて、身体が震えた。
「……そんなに、締め付けないで」
「しら、なっ。ぁ、あ」
 そんなつもりなんてない。ただ、身体のコントロールがきかないのだ。
 散々になかされたばかりの身体のナカにあるきもちいい場所をゆっくりと擦り上げられると、たまらない。勝手に締め付けて、一度目の行為で感じたばかりのきもちいいことを求めようとする。
「きもちいい」
 うっとりと呟いたコンラッドが、首筋に吸い付いてくる。跡を残さない程度に軽い刺激にさえ、涙が滲んだ。
「や、ぁ……あ、いい……っ、あ」
 つま先がきゅうっと丸まって、腰が震えた。
 あつくて、くるしくて、でも、たまらなくきもちいい。
 あたまがおかしくなりそうだ。
 ぎゅうっと奥を締め付けても、たっぷりと濡れた奥では動きを止めることなんかできなくて。少しずつ激しくなる律動においていかれまいと、必死に目の前のたくましい首に縋りついた。


(2016.10.12)